365日の、ひとつづきの輪っか。
気付いたときには違う輪っかに乗り換えて
ぐるぐるぐるぐる
廻っている
実はひとつづきは永遠に途切れていなくて
普遍の時間軸をみんな共有していて
一斉に年末とか新年とかそれぞれで迎える。
なんだかすごく不思議
ひとりひとり感じる時間のはやさは違うのに
みんなおんなじ時のじゅうたんの上で
アラジンみたいに浮遊してて。
もう一年が終わるって。
その内容がどうだったか、
新年になったら今年の目標は何なのか、
お父さんに聞かれるんだろう。
今夜1年ぶりに見る、父の顔は
一体どんなだろう?
自分以上に1年の短さを感じ、
1年以上分の苦労を顔に刻み込んで、
新たなしわを作っているのだろうか。
それとも単身赴任先で出会ったおいしいものを
たらふく食べて、幸せそうにぱんぱんになっているのだろうか。
どうせなら、後者の方が、ずっといい。
一晩寝たら新年
そのたった一瞬で、一昨年に背負ったものを禊おとして
アンパンマンみたく新しい顔になるというのなら
リセットできるのなら、どんなにいいだろう。
なんだか一年ぶりに父に会うのがなんでこんなに
そわそわするのかといえば、
変化を直視する自信がないから。
成長する年頃を過ぎ、
ゆっくり成熟していく50の半ばを
寂しい気持ちなしでみることができなくなってきた。
それはきっと、自分がおとなになってる証拠なんだ、と思いたい。
あたしに関しては、すごくいろんなことがあった一年で、
宝物が増えた。
いつも今が一番楽しいから、
いまが一番輝けてると思うから、
ほんとうにいい一年を過ごせたと、
今年もまた感じられてる。
これから帰郷します。
家族みんなが元気に顔を揃えて、
こたつでチャンネル合戦して
だれかの脚を蹴っ飛ばして
茹蛸になりながらぐうたら寝て
おじさんの手打ちそばで年越して
昨日父さんが搗いたおもちを食べて。
そんなありふれたお正月になればいい。
それが一番のしあわせなんだ。