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alphabete japonais

とおいところへいってきた2

ウィーン入りして旅も4日目です。
この日はまたしても吹雪でした。
なぜ?
なんでさ??
うちらわるいことしたか???
最初にシェーンブルク宮殿へ。
ハプスブルク家の宮殿ということもあって、
さすがのゴージャス具合です。
東欧中国日本そこに西欧も混じって調度品の出身地はちぐはぐもいいところ。
さすがお金持ちの収集能力は違うなと感心しつつ、
そのちぐはぐ具合にも脱帽でした。
やっぱりお金があるとセンスとかよりも、とにかく各国各地の
超一級品を集めたくなるんだなぁ、と妙に納得しました。
あたし絶対大金持ちになっても、
螺鈿の箪笥と一緒にイタリア製の木目調の綺麗なテーブルなんて
一緒に置かない!
なんだそりゃ!!

そのあとヴェルヴェデーレ宮殿へ。
ここは上宮と下宮に分かれていて、中庭はとびきり美しいんだな。
でも吹雪いてたから全様は目には収められず。無念。
こちらの上宮は、オーストリア・ミュージアムとなっています。

ここにはかの有名なクリムトの「The Kiss(接吻)」があって、
あんまり好きというわけではなかったけどミーハー心に火がついて、
いざご対面すると、虜になりました。
心が奪われるとはまさにこのことかなって思いました。
だってね、巨大なその絵は、金箔と銀箔がしたためられた厳粛なものだけど、
男性にきゅって抱きしめられてる女性の顔が、恍惚の表情というか
無上の幸福っていうか、天に昇ってる表情で。ほんとに綺麗だった。
乙女の表情でね、かわいい女の人だった。
彼らは草花の生い茂る崖の端っこにいて、
幸せの絶頂に相対する危うさがそこに存在します。
なんでかな、クリムト。
美しいだけじゃこんな絵を描いたりしないのはなんとなくわかるけど。
女性の表情を見ているとこの上ない幸福感に満たされるけれど、
足下に目を遣るとそわそわしてくる。
解釈は違うかもしれないけれど、
ふたりの幸せにはいろんな犠牲があって、
いつ壊れるかもわからない危ういものなんだって
二人の心は永遠でも、外的要因が悪い影響を及ぼすのかもって
思ったよ。
相手を想ったり信じたりすることにちょっと不安を感じることもあるし
その不安から自分が蝕まれることがあるから
そんな魔物的なものを描いたのかなって、解釈しました。

いずれにしても、圧倒されるすごい絵でした。

実はここへはあたしはシーレを見に来ていたのです。
シーレの実物を見たのは2年前のMoMA展@六本木ヒルズ。
これっきり1作品のみ。
そのときの小作品はカラフルな水彩だった。
お気に入りの一枚ですが、それ以前からスキだったシーレにもっと興味を抱きました。
シーレは、自画像や自画像のヌードをよく描きました。
そしてそれらの多くは、性器が必ず血の赤色をしています。
28の短命で逝去した彼にはその点も含め、多くの謎があります。
鮮やかで美しいとはいえない、
とてつもなっく不安を掻き立てられる不安定な未熟な雰囲気があって、
ゴッホとは種類の違う、危うい絵画だと思います。
スキだけど、ごっほみたく、部屋には飾りたくない絵です(ポストカードは飾ってるけど)。
実際対面してみると、死の予感が強かったし、なにより暗かった。
ハッピーさに乏しいけど、力強かった。
わけもわからず惹きつけられる作品が多かったです。

美術館を後にして、
あたしたちはウィーンのリンク内へ。
リンクというのはUバーンとい路面電車が
山手線のように環状に走っているエリアのことです。

少し遅いお昼は、オペラ座近くのノルトデーという
魚介類のチェーン展開しているファストフード店へ行きました。
山間部に囲まれたオーストリアでは、やはり魚介は高級でした。
酪農民族の国ではチーズや乳製品、肉類を食べるに限りますね。
美味しかったけど、とにかく高かったかも(ファストフードなのに…)。

オペラ座からまっすぐ北方向へ走るケルントナー通りに向かいました。
まさにブランド通りで、ショッピングもりもりです。
お友達はそれぞれステキなブランドショッピングを満喫できたみたいです☆
一緒に行った子が喜んでるとあたしもうれしーよー!!
いい買い物ができたみたいでよかった♪

その後ザッハトルテで有名な、DAMELという老舗ケーキ屋さんに行きました。
ザッハトルテは王道チョコレートケーキです。
甘ーかったけど、本場の味を堪能できたので大満足でした。
現地の人に愛されてるものを食することが、
あたしの中で重要位置を占める旅の醍醐味ですから。

そして夕飯をパン屋さんで調達した後、夜にはいよいよオペラ座でオペラ観劇。
そのために寒い中、おめかししてきたんだから!!

劇は仮面舞踏会。
マスカレードです。
…………
英語字幕観てるんだけど、舞台を見ながらだと大変で、
だんだんおっつかなくなるし、オーケストラばかりを見つめるようになりました。
いみないじゃんね…
で、仮面舞踏会でダンスを踊っているクライマックスに、
とうとうあたしはネバーランドに行ってしまいました。
だって…疲れてたんだもん…

帰りは10時半。
そうです劇は休憩を含めて3時間ちょいかかるのです。
さすがにタクシーで、直帰です。
そしてバタンキュー。。。


つづく
by alphabetejaponais | 2006-03-26 19:53 | TRAVEL
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